ぎんなん難儀

ぎんなん(@icho_poke)さんがいろんなルールで頭を絞るブログ

【S21.シングル最終2106(85位)】新月ゼルネウルランド

お久しぶりです、ぎんなんです。
珍しく普通のシングルの記事を書きます。

今期のルールは、ダイマックス禁止かつ伝説を1匹入れてよいシングル63です。
ダイジェットがなくなったことで素の素早さが高いポケモンの価値が上昇し、
同時に不意の高火力がでなくなったことで、受け寄りの構築に強化が入ったと言われています。

 

どの伝説を採用するかでパーティ全体の色が大きく変わりますが、
最有力と言われたザシアンに後述の複数の理由で魅力を感じなかったため、
その次に強いと感じたゼルネアスを採用しました。

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パーティ全体をゼルネアスに合わせ、正統派積みリレーで構成しました。
他の4匹が一方的にザシアンに弱くならないように調整しています。
ゼルネ含めかなり珍しい配分や構成をしているので、
ぜひ個体紹介まで読んでもらえると嬉しいです。*1

最終レート2106を達成し、順位は85位でした。

 これは夜中の3時に魂の一戦を通したぎんなんさん。
このあと30人に抜かれてるの、最終日の激しさが伺えます。

 

 

構築経緯

 

伝説枠の選定

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結論としてはゼルネアスを選択し、これに合わせてパーティ全体を積みに寄せました。
トップ伝説のザシアンを選択しなかった理由と絡めて考えをまとめます。

①理不尽なメタを張られない伝説を使いたかった
メタモンに弱い伝説を使いたくなかった
③ミラーが解決できる伝説を使いたかった
④伝説同士での不利相性の少ない伝説を使いたかった

①理不尽なメタ
これはザシアンを使った皆さんならわかっていただけると思います。
受かってもない静電気サンダーや炎の体を投げつける人多すぎませんか?
人の配信を見ているだけでも不快になったので、この時点で握る気を失います。

ゼルネアスはこの点メタが甘く動きやすかったです。
鋼やラッキー後投げしかできない構築や、
妖耐性0で「削って先制技で頑張ります!」みたいな構築も少なくなかったです。

 

メタモンに弱くない伝説
僕はメタモンがとても嫌いです。いっぱい積みポケいれてるのでそれはそう。
ご存じの通りザシアンをパクったメタモンはA+2状態になります。
Aを極端に削ってA+2巨獣斬を耐える個体や、インファイトを抜いてもう1匹の鋼枠で受ける構築を見かけましたが、あまりにも美しくないです。
前者はそもそもHP満タンで対面するのが現実的ではないです。
後者は伝説枠をわざわざ弱い型で運用しています。信じられません。

ゼルネアスはムーンフォースを採用しないことでメタモンに抵抗できます。
これに気付いたことが、ゼルネアスを握る大きなきっかけでした。
しかも先述の「弱い型で伝説を運用する」形にはなりません。
詳しくはゼルネアスの個体紹介で触れます。

 

③ミラーの解決が容易
ザシアンミラーの解決、めっちゃ難しくないですか?
ザシアン+ゴツメ化身ボルト+霊獣ランドの形はかなり綺麗に思えましたが、
ここまでやっても取り巻きまでミラーが発生していたり、
ザシアンに化けたメタモンの交代読みじゃれつくで化身ボルトが吹っ飛ばされてたり(それを読んでザシアンつっぱを通していたり)して、
ちょっと僕には思いつきませんでした。
更に言えば、②のメタモン解決と併せてもう1枚鋼を採用する構築をよく見たため、
逆に耐性的に偏ったザシアン構築が増えるなら積みで崩せるのでは?
と感じたことがゼルネアス考察の後押しになりました。

ちなみにゼルネアスミラーの解決は、先にジオコントロールを積むことです。
明確ですし、悪戯挑発等を駆使することでかなり容易に達成できます。

 

④ミラー以外の伝説との有利不利
これはザシアンが強すぎたせいではあるのですが、環境に残っている伝説は基本的にザシアンに弱くないです。
具体的には襷やスカーフの黒バドレックス、スカーフカイオーガですね。
*2
ムゲンダイナ自体はザシアンに弱めですが、取り巻きも受け寄りでザシアンが腐る構築が殆どです。

ゼルネアスは対ザシアンにだけは明確に不利ですが、
それ以外の殆どの伝説に有利を取ることができました。

 

一般枠の選定

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まずゼルネアスのサポートとして壁役を探します。
悪戯心挑発で相手のジオコンを止められるオーロンゲを採用しました。
光の粘土型はボルチェン蜻蛉返りの連打に弱い点で評価が低く、
脱出ボタンで迅速に展開することを選びました。

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次に、ザシアンに対抗できる炎・地の積みポケモンを採用します。
炎は蝶の舞があまりに強力だったのでウルガモス
地は素早さを上昇させるポケモンが全体的に貧弱だったので、*3
もともと強いポケモンをカムラで加速させることを思いつきました。
天然ピクシーを意識してドリュウズで試したところ、
数値が足りず不満はありましたが発想自体の手応えはあったため、
最も数値の高い霊獣ランドロスで試したところぴったりハマりました。

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ここまでで水の一貫が高くなってしまいました。
カイオーガは取り巻きこみでゼルネアスが通っていますが、
さすがに鉢巻ウオノラゴンがまずいので水耐性を前提に考えます。
もちろんザシアンに(壁込みで)弱くないことは条件から外しません。

現環境のSラインはゼルネイベルを抜ける100族が1つの基準です。
この上からも是非1匹は採用したいと考えていたところ、
耐久に振ったアーゴヨンが、オボンの実+リフレクター込みでザシアンを起点にできることに気付きました。
格闘耐性が対水ウーラオスにも光ります。

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ここまでで並びとしては完成していますが、
剣舞バシャーモやツボツボ、バトンタッチ、コスモパワー日食ネクロズマ等、地味に面倒くさい相手を無難に処理してくれる枠として水ウーラオスをお守りにすることにしました。

個体紹介

ゼルネアス@パワフルハーブ

実数値:204-*-138-198-119-129
努力値:H20 B180 C228 D4 S76
特 性:フェアリーオーラ 性格:控え目
技構成:ドレインキッス 気合玉 10万ボルト ジオコントロール

 

調整意図
・陽気ザシアンのリフレクター込み巨獣斬+リフレクターなし石化を耐える
・意地ギルガルドのアイヘ+影打ちをほぼ耐える
・ジオコン10万でHBドヒドイデ確定
・ジオコン10万でH振りギルガルド・ザシアンを確定2発
・ジオコン気合玉で生意気HDナットレイ確定
・準速ウオノラゴン+2
・ジオコン後準速スカーフエースバーン抜き

 

問題のゼルネアス。
ジオコンでDとSが補えるため、BCにかなり偏った振り方をしています。
Hを頑張って振ると逆にドレインキッスの回復割合が減る、みたいな話もなくはないです。

ムーンフォースを削った珍しい技構成の解説をします。
ゼルネアスの主な止め方は下記の2通りで、
絶対にどちらかは出てきます。
①単体で止めるf:id:ginnnanpoke:20210901164210p:plainf:id:ginnnanpoke:20210901164120p:plain
②並びで削りと先制技を分担するf:id:ginnnanpoke:20210628104539p:plainf:id:ginnnanpoke:20200503054439g:plain

 

①に対する対抗策は、気合玉や10万ボルト等の役割破壊技です。*4
②に対する対抗策は、ドレインキッスの回復で圏外に逃げる動きです。
これらを突破した後ろには、基本的にゼルネアスに無力な駒しか残っておらず、
ムンフォでもドレインキッスでももう勝ちは変わりません。
以上からムンフォを打つシーンが存在しないことに気付き試したところ、
概ね机上論通りの動きができました。*5
またドレインキッス/10万ボルト/気合玉のセットはメタモンにコピーされた際の被害が小さく、
ゼルネアスが140程度のHPを残せていれば対面から勝利することができます。
これはドレインキッスを駆使すればかなり容易な条件です。
純粋な積みリレーにも関わらず、今期はメタモン入りの殆どに勝利することができました。

気合玉の是非についてですが、打ちたいヒードランナットレイには壁なしでも2回以上の試行回数が確保できます。
2回打ってどちらかが当たる確率の91%を実質的な命中と捉えれば、それほど上振れ技とは感じないと思います。

チョッキガラルヤドキングや瞑想ハピナス*6ヌケニンを除く環境のほぼ全てのポケモンを突破できる最強のエースでした。

オーロンゲ@脱出ボタン

実数値:199-140-112-*-114-80
努力値:H228 B212 D68
特 性:悪戯心 性格:慎重
技構成:リフレクター 光の壁 不意打ち 挑発

 

調整意図
・陽気ザシアンの巨獣斬耐え
・臆病オーガの眼鏡潮吹き耐え
・B<D(DL調整)

 

初手壁要員。壁貼り直後に脱出ボタンで無償で有利な積みポケモンを投げます。
詳しくは昔書いた単体記事を読んでもらえると嬉しいです。

【シングル雑記】脱出ボタン両壁オーロンゲ - ぎんなん難儀
カバやドヒドイデに挑発だけ打って脱出することもできるので、
積みポケモンたちにラムの実を持たせなくてもいいのが偉かったです。

ウルガモス@命の珠

実数値:161-*-85-187-125-167
努力値:H4 C252 S252
特 性:炎の体 性格:臆病
技構成:火炎放射 ギガドレイン サイコキネシス 蝶の舞

調整意図
・臆病CSぶっぱ
・素の珠火炎放射がザシアンに最低182ダメージ
・C+1珠サイコキネシスでHBドヒドイデを確定1発
・C+1珠火炎放射でAS霊獣ランドロスを確定1発

 

普通のCSウルガモス
ザシアン+スカーフランド+HBドヒドイデの並びを1匹で倒せます。
ドヒドイデの黒い霧や、陽気スカーフランドをケアして最速命の珠です。
ゼルネが投げにくいザシアン軸や、対面ムゲンダイナに投げていきます。
ゼルネ+ウルガで呼んだヒードランを、ゼルネの気合玉で狩れるのも良い並びでした。

ダイジェットが消えて本当に使いやすかったです。
ギガドレインはHBカバが倒せて嬉しいねくらいで滅多に打ちませんでした。
強化アイテムを持たない場合は、炎/サイキネ/蝶の舞/身代わりor眠るが今期の正解だったと思います。

 

ランドロス@カムラの実

実数値:196-167-112-*-105-149
努力値:H252 A12 B12 D36 S196
特 性:威嚇 性格:陽気
技構成:地震 岩雪崩 身代わり ビルドアップ

 

調整意図
・H4n
・陽気ザシアンの巨獣斬を威嚇なしで93.6%耐える
・威嚇+ビルド1回で無振りナットレイのジャイロを身代わりが耐える
・無振りサンダーの暴風を88%程度2耐え(命中非考慮)
・A+1岩雪崩でHBサンダーに94.9%の高乱数2発
・S+1で最速バドレックス抜き

 

ザシアン軸に投げる駒②
珍しい持ち物なので一応説明すると、
カムラの実はHPが1/4以下になると素早さが一段階上昇します。
カバ+ザシアン+サンダーのような並びに対してラス1で投げることで、
吹き飛ばしを通さずに一方的に破壊することができます。
持ち物のカムラの実は食べ残しと一長一短ではあるのですが、
プラン通り多くのザシアン戦でうまく展開することができました。

ゼルネアスの圧力から鋼・炎・毒が確実に選出されていたので、
起点対象が来てなくて困った...みたいなことも少なかったです。
壁ゼルネのお供に是非試してみて欲しいポケモンです。

 

アーゴヨン@オボンの実

実数値:180-*-104-156-95-168
努力値:H252 B84 C68 D12 S92
特 性:ビーストブースト 性格:臆病
技構成:流星群 ヘドロ爆弾 大文字 悪巧み

 

調整意図
・陽気ザシアンの巨獣斬をリフレクター+オボン込み2耐え
・無振りナットレイのジャイロをオボン込み2耐え
・陽気悪ウーラオスの暗黒強打+不意打ちをオボン込み耐え
・無振りサンダーの暴風をほぼ2耐え
・無振りゴリランダーがヘドロ爆弾で確定
・C+2大文字でザシアンに最低192ダメージ
・最速100族抜き

 

補完要員。
カイオーガ入りへのサブプランおよび水ウーラオスの牽制を担当します。
取り巻きによってはザシアン・イベルタル軸にも選出はできます。

耐久に寄せたことで、ナットレイやサンダー等のよくある取り巻きパーツに、
壁に頼らずとも展開できるようになりました。
選出自体はあまり多くありませんでしたが、悪巧み→1匹突破してビーストブーストのS上昇を得るまでの間を壁でフォローできる点にかなり相性の良さを感じました。

 

ウーラオス@弱点保険

実数値:189-187-140-*-81-128
努力値:H108 A156 B156 D4 S84
特 性:不可視の拳 性格:意地
技構成:水流連打 ドレインパンチ 挑発 ビルドアップ

 

調整意図
・B+1で陽気ザシアンのじゃれつく耐え
・A+2水流連打でザシアンに最低180ダメージ
・A+3ドレインパンチでASゴリランダー確定
・準速ウオノラゴン抜き

 

補完要員②。
ツボツボや日食ネクロズマ等、知らないポケモンが来たときに投げました。
オーロンゲ→ウーラオスで挑発をし続けることでコンボ系の構築を咎めます。
一応の汎用性を保つためにザシアンに勝てる弱点保険を持たせており、
カバザシノラゴンみたいな選出にうまく刺さってくれることもありました。
環境のゴリランダーがみんなASで、見た目のS関係からグラススライダーを打ってくれるので、
交代際のビルドからドレパンで餌にできて楽しかったです。

あまり多く投げるポケモンではありませんでしたが、
ウーラオス以外でカモにできるサンダーを多く呼んでくれたので、
いるだけで仕事はしてくれた印象です。

 

最後に

出し負けたのでダイマックスでごまかしまーす(笑)が存在しないゲームなので、
こっちがちゃんとしてればゲームプランを立てやすくて、簡単なゲームだなと思いました。
伝説枠があるとはいえ、割とゲームプール自体は普段より狭くないのかなと感じました。
久しぶりの2100でシングルは満足したので、次はダブルを触ってみたいですね。

*1:パーティ名はムンフォ(月)がない⇒新月ゼノブレイド2にハマっていて、ゼルネアスがヒカリ、ウルガモスがホムラで、アーゴヨンがデバイス、オーロンゲはメツっぽくてランドは約束の「地」=楽園まで考えたのですが、構築名に落とし込むとさすがにクサいなって思ったのでやめました

*2:一度イベルタルが後出しザシアンをスカーフイカサマ2発で咎めるシーンを見かけて、笑いながらも関心してしまいました。

*3:竜の舞を覚えるのがフライゴンとかハガネールしかいませんでした。スケイルショットでのS上昇は技威力の低さ、Bダウンによる先制技圏内への入りやすさから非常に評価が低いです。

*4:瞑想のないラッキーもここに入りますが、ジオコンガン積みからのドレインキッスで回復が間に合う例外パターンです

*5:ムンフォ所持を前提とすれば後投げできないカバルドンに吠えられてしまうケースも少ないながら存在しました。

*6:サイコショックを採用すればジオコン後確定2発で倒せます

【ウォーターパラダイス最終30位】SAME BEAT!!

久しぶりの(ちゃんと特殊ルールの)インターネット大会だああああああ!

どうも、ぎんなんです。

前回のセイムビートは不参加でしたが、今回はガッツリ考察して参加しました。
ルールは、「準伝説・伝説を除いた水タイプのシングル63」です。

 

終結

最終レート1783でなんとか30位に滑り込みました。
使用ptはこちら

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よくわからないと思うので一応説明すると、対面構築です。

先発(よくダイマする)
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中繋ぎ(ダイマしない)
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抑え(たまにダイマする)
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採用しなかったポケモンたち

水統一の大会ということで、「なんでこれ採用しなかったの?」
という疑問は当然出て来ると思うので一応簡潔に。

<電気無効の皆さん>
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身代わり悪巧みロトムの完全な起点。
採用価値なし。

 

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ロトム以外の全てのKP上位に弱い。
ウィップを外せばロトムにも弱い。要らない。

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度忘れ/身代わり/渦潮/電気技@残飯はそこそこ。
でも相手に電気無効が1匹もいないときしか投げられないポケモン
構築に入れるほどの余裕はない。


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龍舞/スパーク/地震/自由(眠る?)に可能性は感じたけれど、
ちょっと難しくて採用するに至らなかった。

 

<一般的に強いと言われていた駒>

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自信過剰ジェット/ダイソウゲン打ってる間は強い。
今回の大会の主役のような存在。
でも非ダイマ時の命中が85以下で全く価値を感じなかった。
このポケモンに頼り切った構築を組んでいる人をカモにするゲーム。

 

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採用ポケモンを見てお分かりのように、
カブトプス以外(フリドラ含め)4倍弱点を採用していない。
これはプレイングでなんとかなる範囲が広いためで、
ルンパッパも使うなら襷だけどカブトプスの方が強かった。

 

個体紹介

 

サメハダー@弱点保険

実数値:149-188-77-*-71-118
努力値:H28 A244 B132 D84 S20
特性:加速 性格:いじっぱり
技構成:噛み砕く インファイト 岩石封じ 堪える

 

調整意図(耐久はDM前提)
・陽気ギャラドスの珠ダイジェット+砂ダメ4回耐え
・控え目ラプラスの眼鏡フリーズドライ耐え
・最速ジーランスを一応抜き
・可能な限りAを高く
・なんかH≒B+Dになって気分がいい

 

初手ダイマ要員①。
人生で一番サメハダーの耐久調整を考えました。
考察通話中にはりゃん(@hryan_poke)さんから提案があり、
深夜テンションかも...と思って一晩寝かせたのですが、
やっぱり強そうだったので採用に至りました。

人類はこのポケモンを襷だと思っているので、
基本的に命中不安高威力技をブチこんで来ません。

そこを逆手にとってダイマして一気にペースを崩します。
本番でも襷ルンパが猫から入ってくれたり、
スカーフラプラスがフリドラで弱点保険を起動してくれたりと、
想定通りの活躍を見せてくれました。

技構成は通りの良い一致の噛み砕く、
ダイナックル媒体となるインファイトまで確定です。
唯一の物理ダイロック媒体でASギャラを砂込みでだいたい倒せる岩石封じは、
ダイマ運用時も起点回避に活躍してくれました。
ダイウォール媒体の堪えるがあることで、非ダイマ運用でも保険が発動できて、
十分な火力を出すことができました。

 

マリルリ@珠

実数値:175-105-100-*-107-102
努力値:A204 D52 S252
特性:力持ち 性格:いじっぱり
技構成:じゃれつく 瓦割り 穴を掘る 飛び跳ねる

 

調整意図
・準速(1ダイジェットで最速水ロトム抜き)
・ダイフェアリーでH振りロトム確定
・残りD

 

初手ダイマ要員2。
ダイマを軒並みワンパンする火力があり、
ラプラス、ルンパッパ、ロトム(鬼火なし)等、
初手に来やすいポケモンを軒並み破壊できます。

ダイフェアリーが欠伸展開への、瓦割りが壁展開への抵抗になり、
偉さも両立している点が評価が高いです。
特に初手ラプラスダイマとかちあった際は、生存にダイアースが役立ち、
ダイマ終了後に瓦割りで倒すことで圧倒的なアドバンテージを得られました。

切り返し方法としてギャラのダイマックスを呼ぶ点が、
後述のカブトプスと噛み合っており楽なゲームメイクができました。
ギャラドスと違い対応に慣れていないプレイヤーが多く、この点でもマリルリを選択して正解だったと感じました。

 

ドククラゲ@突撃チョッキ

実数値:170-81-86-129-141-154
努力値:H116 B4 C228 D4 S156
特性:クリアボディ 性格:臆病
技構成:ヘドロ爆弾 ギガドレイン 叩き落とす 高速スピン

 

調整意図
・最速ロトム抜き調整を抜く
・ギガドレ+ダイソウゲンでギャラ抜き残りHDロトムが倒せる程度
・可能な限りHを高く

 

初手ダイマポケモン③。別にダイマしなくても戦えるので、
裏のミトムにダイマを回すこともできます。
最初は無振りロトムのダイサンダー耐え弱点保険で使用しており、
これはこれで叩きから入ればすべてのラプラスに勝てて使用感がよかったのですが、
前述のサメハダーに保険を譲ったので、それでもラプラスに勝てるようチョッキを着せました。

初手に来やすいロトムラプラス、ルンパッパ、アシレーヌ等非常に多くのポケモンの相手をできます。
実はそれほど火力がないですが、毒+草の範囲を受けること自体が難しいため後出しを躊躇させやすいです。
この性質が非常に対面展開に向いており、先発要員として活躍しました。

他の2匹と異なる点は欠伸ステロ展開に強いこと。
ラグラージガマゲロゲには初手ダイソウゲンで襷地震をケアして倒せて、
ジーランスには叩き落とすでイバンを拒否してギガドレで処理ができます。
倒してから高速スピンで切れば、このポケモンを倒しに来るギャラドスに対して、
こちらの処理駒であるカブトプスの襷を守ることができました。

 

カブトプス@気合の襷

実数値:135-176-125-98-81-127
努力値:A196 C100 S212
特性:砕ける鎧 性格:やんちゃ
技構成:岩石封じ じたばた ギガドレ 堪える

 

調整意図
・岩石封じ+じたばたでH振りミトムが90%落ちる
・岩石封じ+ギガドレで無振りジーランスが落ちる
・ギガドレがH振りラグラージに確定2発
・最速カジリガメ抜き
※ウオノラゴンの存在は忘れていました(準速と同速)

 

自慢の襷ポケモン。ほぼ全試合選出。この世界の襷ホルード
ダイマギャラドスストッパーとしての評価が主だったようですが、
このルールにおける岩石封じ+じたばたの一貫性が凄まじかったため、
ギャラドス不在構築にも平気で選出しました。

ギャラストッパーとしての岩技は、岩石封じ以外ありえません。
ダイジェット1回で初手のポケモンが倒されている展開が多いです。
この状態からダイジェットされるとお互いに2段階のS上昇がとなってしまうため、
こちらが襷を盾に岩石封じを押すことで初めて上を取ることができます。
一致なだけあってちゃんと岩石封じでも火力があり、
ダイマ状態への封じ+非ダイマ状態への封じでASギャラに確定が取れます。

耐久が非常に低く、HPが基本的に満タンかHP1の状態しかないため、
堪えると合わせてじたばたがほぼ最大威力で毎回打てました。
ギガドレインはいざというときのための対岩水・地水勢へのお守りのつもりでしたが、
5試合程度打つ機会はあり入れてよかったです。

 

ウォッシュロトム@カムラの実

実数値:152-76-132-137-140-127
努力値:H212 B36 C92 D4 S164
技構成:10万ボルト ハイパーボイス 悪巧み 身代わり

 

調整意図
・意地ラグラージの岩石封じを身代わりが耐え
・無振りランターンの放電を身代わりが93.6%耐え
・C無振りロトムのダイサンダーほぼ2耐え
・悪巧み10万ボルトでH振りラプラス確定
・悪巧みハイボでASラグがだいたい2発
・H一応4n(カムラを食べるため)
・準速ガマゲロゲ抜き(S上昇時最速インテレオン抜き)

 

〆のポケモン
ミラーが頻発し不安定なことがネックで選出できずにいましたが、
カムラを持つことでこれを解消でき爆発的に信用度が上がりました。
配分はちょっと無駄があるかもしれません。

基本的にお互いのダイマが枯れた終盤に投げます。
起点範囲が非常に広く、ドヒドイデやラグ、トドンは勿論、
悪巧みのあるミトムですらフラットな状態なら勝つことができます。
スカーフラプラスすれも持ち物が判明してさえいれば、
後攻身代わり(カムラ消費でS逆転)から悪巧み10万で起点です。

技構成は10万身代わり悪巧みは確定で、
ダイアタック媒体にもなるリスクなし最大打点のハイボとしました。

スカーフミトムが減った上位帯で特に活躍してくれました。
このポケモンの存在を教えてくれたシグマ(@zenchino115)さんに感謝しています。
※彼は最速を取っていたようですが、僕の好みで耐久配分にしました。

 

ラプラス@スカーフ

実数値:205-94-100-124-152-102
努力値:C148 D188 S172
特性:シェルアーマー 性格:穏やか
技構成:フリーズドライ 雷 角ドリル 滅びの歌

 

調整意図
・最速スカーフロトム抜き
・無振りギャラドスを93.6%で倒す
・無振りロトムの10万2耐え程度

 

この世界では普通のスカーフラプラスです。
このルールではラプラス以外でフリドラの一貫を切れないため、
最後に出してフリドラポチポチしてるだけで結構勝てます。
ダイマ時のサンダー、アタック、ウォール媒体として、
それらしい技を入れました。実際に打ったのは角ドリルくらいです。

フリドラの確定数がCを振り切ってもあまり変わらなかったため、
最低限を確保して残りは打ち合いになるロトム等を意識してDに振りました。

序盤の使い勝手は良好でしたが、上位者も同じことを考えているため、
終盤にフリドラを打って相手のラプラスで止まることが多くなりました。
最終的には選出をほぼ水ロトムに譲る形になりました。

 

さいごに

いろんな人と通話したり相談に乗ったり誘ったりしながら取り組みました。
めっちゃ楽しかったので、今後もこのくらいのいい意味でいい加減なルールの公式大会を期待します。

【雑記】インターネット大会のメタと仲間大会

ぎんなんです。

ウォーターパラダイスの進捗いかがでしょうか。
久しぶりに独自のゲーム性を持つインターネット大会が来ましたね。
仲間大会が乱立しており、盛り上がっているのを感じています。


ところで、USM以前からインターネット大会に参加されているプレイヤーなら
きっと共感してくれると思っているんですけど、


剣盾のインターネット大会で勝つの、難しくないですか?

 

前作以前よりプレイヤーのレベルが上がったとかはそこまで感じないんですけど、
相手が何考えてるのかわかりづらくなったと感じています。
理由をぼんやり考えていたら、140文字のTwitterでは足りなかったので、
チラシの裏程度のノリで書き残しておこうと思います。


ざっくり結論から言うと、
「練習の仲間大会が増えて世間のメタレベルが上がったから」だと思いました。


【メタレベルの概念】
詳しく説明するために、まずはメタレベルという言葉について共有します。
--------------------

相手が「グーを出す」と宣言したじゃんけんについて考えます。

k=0(素直)
パーを出す

k=1(相手がk=0を読むことを読む)
パーを出す読みでチョキが出される読みでグーを出す

k=2(相手がk=1を読むことを読む)
グーを出す読みでパーが出される読みでチョキを出す

k=...
----------------------

正確じゃないかもしれませんが、こんな感じです。
k=の数値が上がるほど深読みしていくってことですね。
必ずしも完全上位互換の手ではないことが重要です。


今度のインターネット大会のウォーターパラダイス
(準伝説を除く水タイプのみのシングル)に当てはめると、
こんな感じになると思います。

k=0
ギャラドス 眼鏡ロトム 弱点保険ラプラス

k=1
ソクノギャラドス リンドロトム スカーフラプラス

 

かつて仲間大会による練習の場がなかった頃は、
低レートの多くはk=0の個体群を使用していました。
こちらはk=1の個体群を用意すれば、プレイング勝負をすることなく
楽にレートを上げることができていました。
「上位を目指すならインターネット大会は最終日に潜れ」とよく言われる理由の1つは、
2日間でこのk=0とk=1の人間がある程度レートで可視化されることにもあります。*1

 

【仲間大会による大衆のメタレベルの上昇】

しかし練習の仲間大会の乱立する剣盾ではこれが大きく変化したと感じます。
上記の表記と併せれば、このように表現できます。

k=0 仲間大会に出ていない、流用個体も使う人
k=1 仲間大会に出たor情報を仕入れた人
k=2 仲間大会を踏まえてそれに勝てるように組んできた人

前作以前と比べてk=1の人口が爆増することになったため、
低レートでもk=0とk=1の人が混在するようになりました。

例えば「ヨロイビギニング」*2に私が潜った際は、
1500代でもかなりの頻度でヨプポリゴンZに遭遇しました。
これはウーラオスをメタった個体で、上述のk=1に相当します。

 

【メタレベルの引き上げと空回り】

増加したk=1の層に勝つためには、k=2へ自分のメタレベルを上げればいいのですが、
最終的にはk=2同士の勝負に勝たなければいけないので、k=2.5とかk=3まで上げる必要があります。

ここで最初のじゃんけんの例を思い出してください。
k=2の人、相手が「グーを出す」って言ってるのにチョキ出してるので、
相手が本当に素直にグーを出していたら負けていますよね。

 

竜王戦ルールにおけるザシアンの配分がイメージしやすいのではないでしょうか。

k=0 陽気AS  (環境初期)
k=1 意地HAs  (k=0を巨獣斬石化で倒す)
k=2 陽気HS剣舞(k=1の巨獣斬石化を耐える)

上記のように推移し、最終的にはk=1とk=2の個体が混在していたと記憶しています。
ここでk=2の個体に注目すると、確かにk=1の個体には勝てるのですが、
k=1では急所以外勝てていたk=0の個体に同速勝負の50%で負けてしまいます。

 

勿論これは単体での話ですが、構築単位でも同じようなことが起こりえます。
特に今回のウォーターパラダイスのようにポケモンの選択肢が狭いと、
よりこういった現象が起こりやすくなると考えられます。

 

この空回りを避ける1つの基準となる情報が、相手のレートでした。
「こんなにレート高いのにASザシアン使ってないやろ~」みたいな判別ですね。
しかし仲間大会という練習の場が設けられたことで、
相手のレートが1500でも、相手がk=0かk=1のどちらなのか判別が困難なのが、
剣盾のインターネット大会の特徴だと思います。


【まとめ】

剣盾のインターネット大会が勝ちづらい理由は、
仲間大会という練習の場によって全体のレベルの底上げが為されたためです。
まとめると当たり前みたいなこと言ってますね。


僕はいっぱい勝って気持ちよくなりたいので困るのですが、
全体のレベルが上がることはきっといいことなので、
頑張ってそのうえで勝てそうな構築を準備します。

おわり。


k=~の概念は昔どこかで見かけた記事からのパクりなのですが、
見つからなくて困っているのでコメントでURLを教えていただけると
とても嬉しいです。

 

追記:教えていただきました。ありがとうワイルドさん。
めっちゃ面白いので是非読んでください。

jp.quora.com

*1:2日間で他の人が育てたレートを吸えるので効率がいい、というのも理由です。

*2:鎧の孤島に出現するポケモンのみのシングル大会