お久しぶりです、ぎんなんです。
珍しく普通のシングルの記事を書きます。
今期のルールは、ダイマックス禁止かつ伝説を1匹入れてよいシングル63です。
ダイジェットがなくなったことで素の素早さが高いポケモンの価値が上昇し、
同時に不意の高火力がでなくなったことで、受け寄りの構築に強化が入ったと言われています。
どの伝説を採用するかでパーティ全体の色が大きく変わりますが、
最有力と言われたザシアンに後述の複数の理由で魅力を感じなかったため、
その次に強いと感じたゼルネアスを採用しました。
パーティ全体をゼルネアスに合わせ、正統派積みリレーで構成しました。
他の4匹が一方的にザシアンに弱くならないように調整しています。
ゼルネ含めかなり珍しい配分や構成をしているので、
ぜひ個体紹介まで読んでもらえると嬉しいです。*1
最終レート2106を達成し、順位は85位でした。
シングル2100乗せました!撤退! pic.twitter.com/tGB3WZ65JI
— ぎんなん (@icho_poke) 2021年8月31日
これは夜中の3時に魂の一戦を通したぎんなんさん。
このあと30人に抜かれてるの、最終日の激しさが伺えます。
構築経緯
伝説枠の選定
結論としてはゼルネアスを選択し、これに合わせてパーティ全体を積みに寄せました。
トップ伝説のザシアンを選択しなかった理由と絡めて考えをまとめます。
①理不尽なメタを張られない伝説を使いたかった
②メタモンに弱い伝説を使いたくなかった
③ミラーが解決できる伝説を使いたかった
④伝説同士での不利相性の少ない伝説を使いたかった
①理不尽なメタ
これはザシアンを使った皆さんならわかっていただけると思います。
受かってもない静電気サンダーや炎の体を投げつける人多すぎませんか?
人の配信を見ているだけでも不快になったので、この時点で握る気を失います。
ゼルネアスはこの点メタが甘く動きやすかったです。
鋼やラッキー後投げしかできない構築や、
妖耐性0で「削って先制技で頑張ります!」みたいな構築も少なくなかったです。
②メタモンに弱くない伝説
僕はメタモンがとても嫌いです。いっぱい積みポケいれてるのでそれはそう。
ご存じの通りザシアンをパクったメタモンはA+2状態になります。
Aを極端に削ってA+2巨獣斬を耐える個体や、インファイトを抜いてもう1匹の鋼枠で受ける構築を見かけましたが、あまりにも美しくないです。
前者はそもそもHP満タンで対面するのが現実的ではないです。
後者は伝説枠をわざわざ弱い型で運用しています。信じられません。
ゼルネアスはムーンフォースを採用しないことでメタモンに抵抗できます。
これに気付いたことが、ゼルネアスを握る大きなきっかけでした。
しかも先述の「弱い型で伝説を運用する」形にはなりません。
詳しくはゼルネアスの個体紹介で触れます。
③ミラーの解決が容易
ザシアンミラーの解決、めっちゃ難しくないですか?
ザシアン+ゴツメ化身ボルト+霊獣ランドの形はかなり綺麗に思えましたが、
ここまでやっても取り巻きまでミラーが発生していたり、
ザシアンに化けたメタモンの交代読みじゃれつくで化身ボルトが吹っ飛ばされてたり(それを読んでザシアンつっぱを通していたり)して、
ちょっと僕には思いつきませんでした。
更に言えば、②のメタモン解決と併せてもう1枚鋼を採用する構築をよく見たため、
逆に耐性的に偏ったザシアン構築が増えるなら積みで崩せるのでは?
と感じたことがゼルネアス考察の後押しになりました。
ちなみにゼルネアスミラーの解決は、先にジオコントロールを積むことです。
明確ですし、悪戯挑発等を駆使することでかなり容易に達成できます。
④ミラー以外の伝説との有利不利
これはザシアンが強すぎたせいではあるのですが、環境に残っている伝説は基本的にザシアンに弱くないです。
具体的には襷やスカーフの黒バドレックス、スカーフカイオーガですね。
*2
ムゲンダイナ自体はザシアンに弱めですが、取り巻きも受け寄りでザシアンが腐る構築が殆どです。
ゼルネアスは対ザシアンにだけは明確に不利ですが、
それ以外の殆どの伝説に有利を取ることができました。
一般枠の選定
まずゼルネアスのサポートとして壁役を探します。
悪戯心挑発で相手のジオコンを止められるオーロンゲを採用しました。
光の粘土型はボルチェン蜻蛉返りの連打に弱い点で評価が低く、
脱出ボタンで迅速に展開することを選びました。
次に、ザシアンに対抗できる炎・地の積みポケモンを採用します。
炎は蝶の舞があまりに強力だったのでウルガモス、
地は素早さを上昇させるポケモンが全体的に貧弱だったので、*3
もともと強いポケモンをカムラで加速させることを思いつきました。
天然ピクシーを意識してドリュウズで試したところ、
数値が足りず不満はありましたが発想自体の手応えはあったため、
最も数値の高い霊獣ランドロスで試したところぴったりハマりました。
ここまでで水の一貫が高くなってしまいました。
カイオーガは取り巻きこみでゼルネアスが通っていますが、
さすがに鉢巻ウオノラゴンがまずいので水耐性を前提に考えます。
もちろんザシアンに(壁込みで)弱くないことは条件から外しません。
現環境のSラインはゼルネイベルを抜ける100族が1つの基準です。
この上からも是非1匹は採用したいと考えていたところ、
耐久に振ったアーゴヨンが、オボンの実+リフレクター込みでザシアンを起点にできることに気付きました。
格闘耐性が対水ウーラオスにも光ります。
ここまでで並びとしては完成していますが、
襷剣舞バシャーモやツボツボ、バトンタッチ、コスモパワー日食ネクロズマ等、地味に面倒くさい相手を無難に処理してくれる枠として水ウーラオスをお守りにすることにしました。
個体紹介
ゼルネアス@パワフルハーブ
実数値:204-*-138-198-119-129
努力値:H20 B180 C228 D4 S76
特 性:フェアリーオーラ 性格:控え目
技構成:ドレインキッス 気合玉 10万ボルト ジオコントロール
調整意図
・陽気ザシアンのリフレクター込み巨獣斬+リフレクターなし石化を耐える
・意地ギルガルドのアイヘ+影打ちをほぼ耐える
・ジオコン10万でHBドヒドイデ確定
・ジオコン10万でH振りギルガルド・ザシアンを確定2発
・ジオコン気合玉で生意気HDナットレイ確定
・準速ウオノラゴン+2
・ジオコン後準速スカーフエースバーン抜き
問題のゼルネアス。
ジオコンでDとSが補えるため、BCにかなり偏った振り方をしています。
Hを頑張って振ると逆にドレインキッスの回復割合が減る、みたいな話もなくはないです。
ムーンフォースを削った珍しい技構成の解説をします。
ゼルネアスの主な止め方は下記の2通りで、
絶対にどちらかは出てきます。
①単体で止める
②並びで削りと先制技を分担する
①に対する対抗策は、気合玉や10万ボルト等の役割破壊技です。*4
②に対する対抗策は、ドレインキッスの回復で圏外に逃げる動きです。
これらを突破した後ろには、基本的にゼルネアスに無力な駒しか残っておらず、
ムンフォでもドレインキッスでももう勝ちは変わりません。
以上からムンフォを打つシーンが存在しないことに気付き試したところ、
概ね机上論通りの動きができました。*5
またドレインキッス/10万ボルト/気合玉のセットはメタモンにコピーされた際の被害が小さく、
ゼルネアスが140程度のHPを残せていれば対面から勝利することができます。
これはドレインキッスを駆使すればかなり容易な条件です。
純粋な積みリレーにも関わらず、今期はメタモン入りの殆どに勝利することができました。
気合玉の是非についてですが、打ちたいヒードランやナットレイには壁なしでも2回以上の試行回数が確保できます。
2回打ってどちらかが当たる確率の91%を実質的な命中と捉えれば、それほど上振れ技とは感じないと思います。
チョッキガラルヤドキングや瞑想ハピナス*6、ヌケニンを除く環境のほぼ全てのポケモンを突破できる最強のエースでした。
オーロンゲ@脱出ボタン
実数値:199-140-112-*-114-80
努力値:H228 B212 D68
特 性:悪戯心 性格:慎重
技構成:リフレクター 光の壁 不意打ち 挑発
調整意図
・陽気ザシアンの巨獣斬耐え
・臆病オーガの眼鏡潮吹き耐え
・B<D(DL調整)
初手壁要員。壁貼り直後に脱出ボタンで無償で有利な積みポケモンを投げます。
詳しくは昔書いた単体記事を読んでもらえると嬉しいです。
【シングル雑記】脱出ボタン両壁オーロンゲ - ぎんなん難儀
カバやドヒドイデに挑発だけ打って脱出することもできるので、
積みポケモンたちにラムの実を持たせなくてもいいのが偉かったです。
ウルガモス@命の珠
実数値:161-*-85-187-125-167
努力値:H4 C252 S252
特 性:炎の体 性格:臆病
技構成:火炎放射 ギガドレイン サイコキネシス 蝶の舞
調整意図
・臆病CSぶっぱ
・素の珠火炎放射がザシアンに最低182ダメージ
・C+1珠サイコキネシスでHBドヒドイデを確定1発
・C+1珠火炎放射でAS霊獣ランドロスを確定1発
普通のCSウルガモス。
ザシアン+スカーフランド+HBドヒドイデの並びを1匹で倒せます。
ドヒドイデの黒い霧や、陽気スカーフランドをケアして最速命の珠です。
ゼルネが投げにくいザシアン軸や、対面ムゲンダイナに投げていきます。
ゼルネ+ウルガで呼んだヒードランを、ゼルネの気合玉で狩れるのも良い並びでした。
ダイジェットが消えて本当に使いやすかったです。
ギガドレインはHBカバが倒せて嬉しいねくらいで滅多に打ちませんでした。
強化アイテムを持たない場合は、炎/サイキネ/蝶の舞/身代わりor眠るが今期の正解だったと思います。
ランドロス@カムラの実
実数値:196-167-112-*-105-149
努力値:H252 A12 B12 D36 S196
特 性:威嚇 性格:陽気
技構成:地震 岩雪崩 身代わり ビルドアップ
調整意図
・H4n
・陽気ザシアンの巨獣斬を威嚇なしで93.6%耐える
・威嚇+ビルド1回で無振りナットレイのジャイロを身代わりが耐える
・無振りサンダーの暴風を88%程度2耐え(命中非考慮)
・A+1岩雪崩でHBサンダーに94.9%の高乱数2発
・S+1で最速バドレックス抜き
ザシアン軸に投げる駒②
珍しい持ち物なので一応説明すると、
カムラの実はHPが1/4以下になると素早さが一段階上昇します。
カバ+ザシアン+サンダーのような並びに対してラス1で投げることで、
吹き飛ばしを通さずに一方的に破壊することができます。
持ち物のカムラの実は食べ残しと一長一短ではあるのですが、
プラン通り多くのザシアン戦でうまく展開することができました。
ゼルネアスの圧力から鋼・炎・毒が確実に選出されていたので、
起点対象が来てなくて困った...みたいなことも少なかったです。
壁ゼルネのお供に是非試してみて欲しいポケモンです。
アーゴヨン@オボンの実
実数値:180-*-104-156-95-168
努力値:H252 B84 C68 D12 S92
特 性:ビーストブースト 性格:臆病
技構成:流星群 ヘドロ爆弾 大文字 悪巧み
調整意図
・陽気ザシアンの巨獣斬をリフレクター+オボン込み2耐え
・無振りナットレイのジャイロをオボン込み2耐え
・陽気悪ウーラオスの暗黒強打+不意打ちをオボン込み耐え
・無振りサンダーの暴風をほぼ2耐え
・無振りゴリランダーがヘドロ爆弾で確定
・C+2大文字でザシアンに最低192ダメージ
・最速100族抜き
補完要員。
カイオーガ入りへのサブプランおよび水ウーラオスの牽制を担当します。
取り巻きによってはザシアン・イベルタル軸にも選出はできます。
耐久に寄せたことで、ナットレイやサンダー等のよくある取り巻きパーツに、
壁に頼らずとも展開できるようになりました。
選出自体はあまり多くありませんでしたが、悪巧み→1匹突破してビーストブーストのS上昇を得るまでの間を壁でフォローできる点にかなり相性の良さを感じました。
ウーラオス@弱点保険
実数値:189-187-140-*-81-128
努力値:H108 A156 B156 D4 S84
特 性:不可視の拳 性格:意地
技構成:水流連打 ドレインパンチ 挑発 ビルドアップ
調整意図
・B+1で陽気ザシアンのじゃれつく耐え
・A+2水流連打でザシアンに最低180ダメージ
・A+3ドレインパンチでASゴリランダー確定
・準速ウオノラゴン抜き
補完要員②。
ツボツボや日食ネクロズマ等、知らないポケモンが来たときに投げました。
オーロンゲ→ウーラオスで挑発をし続けることでコンボ系の構築を咎めます。
一応の汎用性を保つためにザシアンに勝てる弱点保険を持たせており、
カバザシノラゴンみたいな選出にうまく刺さってくれることもありました。
環境のゴリランダーがみんなASで、見た目のS関係からグラススライダーを打ってくれるので、
交代際のビルドからドレパンで餌にできて楽しかったです。
あまり多く投げるポケモンではありませんでしたが、
ウーラオス以外でカモにできるサンダーを多く呼んでくれたので、
いるだけで仕事はしてくれた印象です。
最後に
出し負けたのでダイマックスでごまかしまーす(笑)が存在しないゲームなので、
こっちがちゃんとしてればゲームプランを立てやすくて、簡単なゲームだなと思いました。
伝説枠があるとはいえ、割とゲームプール自体は普段より狭くないのかなと感じました。
久しぶりの2100でシングルは満足したので、次はダブルを触ってみたいですね。
*1:パーティ名はムンフォ(月)がない⇒新月。ゼノブレイド2にハマっていて、ゼルネアスがヒカリ、ウルガモスがホムラで、アーゴヨンがデバイス、オーロンゲはメツっぽくてランドは約束の「地」=楽園まで考えたのですが、構築名に落とし込むとさすがにクサいなって思ったのでやめました
*2:一度イベルタルが後出しザシアンをスカーフイカサマ2発で咎めるシーンを見かけて、笑いながらも関心してしまいました。
*3:竜の舞を覚えるのがフライゴンとかハガネールしかいませんでした。スケイルショットでのS上昇は技威力の低さ、Bダウンによる先制技圏内への入りやすさから非常に評価が低いです。
*4:瞑想のないラッキーもここに入りますが、ジオコンガン積みからのドレインキッスで回復が間に合う例外パターンです